このセクションで、ようやくつくるプロセスに入ります。MVPは「実用的な最小限の機能をもつプロダクト」です。実際にものをつくるので、たのしみにしていたかもしれません。でも、すこしだけ待ってください。MVPをつくるといっても、コードを書く必要はまったくありません。これはどういうことでしょうか?
MVPの目的は、プロダクトとしての仮説を検証することです。つまり、検証さえできればいいのです。検証するために、わざわざ時間をかけてコードを書く必要はありません。たとえば、Glideというツールがあります。Glideは画面上で操作するだけで簡単なアプリをつくることができます。
データベースにはGoogleスプレッドシートを用い、コードは書きません。Glideを持ちいれば、コードを書くよりずっとはやく検証することができます。検証すべき項目はなにか、そのためにコストをかけないでどう検証できるか。すばやく仮説を検証していきましょう。
MVPは実用的な最小限の機能をもつプロダクト。検証さえできれば、コードを書く必要はありません。
やってみよう
ユーザーストーリーマップで定めたMVPの機能をもとに、どうやってMVPをつくるか決めましょう。決めたら実際に構築しましょう。
MVPについては、「MVPの作り方」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
例:tsukuri
私がつくろうとしているtsukuriは、開発者とユーザーのコミュニティサービスです。開発者として検証したいことは、「投稿できること」「ユーザーからのコメントが見られること」「フォロワー数を確認できること」です。この3つを満たすツールがないか、Googleで検索したりして考えてみました。その結果、ちょうどいいツールとしてSlackがあることに気づきました。
Slackは、投稿を自由にでき、また投稿に対して返信やリアクションができます。パブリックチャンネルにしておけば、ユーザーは自由に参加することができます。つまりチャンネルのメンバー数=フォロワー数です。
Slackで開発者ごとにチャンネルをつくり、アップデートを投稿したりアンケートを行ったりすることで、tsukuriで行うような行動をとってもらいます。SlackはtsukuriのMVPとしてちょうどいいと考え、SlackをMVPの場にすることに決めました。