このセクションについて

前の章では、リーンキャンバスの中で「誰の課題を解決するか」、つまりあなたの顧客を決めました。次は、その顧客がもっとも解決したい課題を見つけていきましょう。

同じく前の章で「解決したい課題」も決めました。ただ、この課題はあなたが解決したい課題であって、顧客が本当に抱えている課題かどうかはわかりません。この状態のままプロダクトをつくっても、顧客に使ってもらえる可能性は低いです。

株式会社ユニコーンファームCEOの田所雅之氏は、「起業の科学」の中で次のように示しています。

PMFを達成したスタートアップの8割はプロジェクトの初期段階で「課題の発見と検証」に集中しています。一方で失敗したスタートアップの74%が、同じ段階で「プロダクト(製品)の検証」に時間を割いています。

一旦決めた「解決したい課題」をベースに、ユーザーと対話を繰り返し、顧客にとってより深いニーズを見つけていく必要があります。

この章でやること

田所氏は「起業の科学」の中で、「課題の質を上げるため」としてペルソナと共感マップ、カスタマージャーニーマップで顧客について分析する手法を示しました。この章では、顧客がもっとも解決したい課題を、次に示す4つのステップで見つけていきます。

  1. ペルソナや共感マップ、カスタマージャーニーマップで顧客について整理する
  2. 顧客の課題や顧客自身についての仮説を整理する
  3. ユーザーインタビューで仮説を検証する
  4. 1と2を更新する

4で更新する仮説がなくなったら、Customer Problem Fitは完了です。ここまでくれば、顧客と、その顧客がもっとも解決したい課題が見つかります。つまり、プロダクトが失敗する可能性を大きく減らすことができます。それでは、まずペルソナから立てていきましょう。

著者
Hiroki Zenigami

テクニカルライター。元エンジニア。共著で「現場で使えるRuby on Rails 5」を書きました。プログラミング教室を作るのが目標です。

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