プロブレムインタビューをしよう

いよいよユーザーインタビューをやっていきます。このセクションでは、課題仮説の検証に焦点をあてたプロブレムインタビューを行います。プロブレムインタビューでは、前のセクションで整理した課題仮説について、ユーザーとの会話をとおして検証していきます。

課題仮説を検証することで、ユーザーが課題を本当に抱えているかどうかを確かめられます。つまり、プロダクトにしたときに使ってもらえる、より必要とされるプロダクトにするためのプロセスです。

プロブレムインタビューを行う前にやることがふたつあります。インタビューの相手を集めることと、インタビューの進め方を決めることです。インタビュー相手の集め方は、とくに決まったやり方はありません。会社の同僚や友人、知人、家族などで、プロダクトがターゲットにしている層であり、かつ協力してくれそうな方に連絡をとってみます。

あるいは、TwitterなどのSNSを活用して、興味をもちそうなユーザーを探してメッセージを送る方法も効果的です。インタビューをどう進めるかについては、事前に台本をつくっておくと進めやすいです。

また、インタビューを行ったら、終わったあとすぐにふりかえりを行います。インタビューをとおして学んだことを整理して、必要に応じて仮説マトリクスを更新します。この繰り返しで、仮説マトリクス上の不確実な仮説がなくなったら、プロブレムインタビューが完了となります。

まとめ

プロブレムインタビューは、ユーザーが課題を本当に抱えているかどうかを検証するインタビューです。不確実度の高い仮説がなくなるまで繰り返します。

やってみよう

3人以上の方を相手にプロブレムインタビューをしてみましょう。そのために、インタビューの相手を集めて、あわせて台本をつくってみましょう。インタビューを行ったら、すぐにふりかえりましょう。ふりかえった結果、必要に応じて仮説マトリクスを更新しましょう。

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ユーザーインタビューについては、「ユーザーインタビューのやり方」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

なお、本ガイドは学習用のため、ここでは3人以上としていますが、実際のプロダクト開発では不確実な仮説がなくなるまで繰り返します。およそ30人ほどに対して実施すれば、不確実な仮説はなくなると思います。

例:ユーザーコミュニティ

プロブレムインタビューの相手を集めるために、Twitter上で告知を投稿しました。この結果、1日で3人のインタビュー相手が集まりました。これはたぶん、ふだんからミッションに関することを投稿していた影響だと思います。自分に共感してくれる方が協力してくれたのかな、とうれしく思いました。

相手が3人だと仮説をちゃんと検証できるか不安だったので、Twitterのユーザー検索機能を利用して、興味をもってくれそうなユーザーを検索しました。何人かにメッセージを送って、追加で4人、計7人のインタビュー相手が見つかりました。

不思議なことに、メッセージを送って断られたのは一度だけでした。自分はフォロワーが100人もいないので、どうやらフォロワーの数はあんまり関係ないようです。インタビューの日時の調整にはTimeRexというサービスを使いました。URLを共有するだけで、相手に日時を調整してもらえるサービスです。日時調整の手間が大きく省けました。

それとあわせて、「ユーザーインタビューのやり方」を参考にインタビューの台本をつくりました。この台本をもとに、インタビューを行いました。インタビューの結果、次のことがわかりました。

  • 仮説検証の重要性を理解している人はほとんどいなかった
  • ユーザーインタビューはなんとなく重要だと思っているけど、実際にやっている人はほとんどいない
  • ユーザーインタビューをやっている人にとっては、インタビューの相手を見つけるのは大変、というのはそのとおりだった

一方で、こんな発見もありました。

  • ユーザーインタビューより、リリース告知やユーザーからの改善案・バグ報告などをとおしてユーザーとコミュニケーションをとりたい
  • 新機能をリリースしたときに使ってもらいたい、フィードバックがほしい
  • プロダクトをいろんな人に広めてほしい

つまり、ユーザーインタビューというよりユーザーとのコミュニケーションをとりたい、それを起点にしたプロダクトの改善や拡散をねらいたい、という課題が見つかりました。ユーザーインタビューは、プロダクトの改善や拡散の一つの方法にすぎない、という結論です。

この結果をもとに、リーンキャンバスやペルソナ、共感マップ、カスタマージャーニーマップ、さらに仮説マトリクスを更新しました。

著者
Hiroki Zenigami

テクニカルライター。元エンジニア。共著で「現場で使えるRuby on Rails 5」を書きました。プログラミング教室を作るのが目標です。

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