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ドッグフーディングのやり方とは?プロダクトを改善する7つの手順

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ウェブサービスやアプリを運営する上で、重要な取り組みのひとつが改善です。ユーザーの体験をすこしずつよくしていくことで、ユーザーに長くプロダクトを使ってもらえるようになります。

ひとことに改善といっても、具体的にどうすればいいのでしょうか。たとえばKPIを計測して改善のための施策を考えたり、ユーザーからフィードバックをもらって改善につなげるやりかたもあります。

これ以外の、改善のための効果的な取り組みとして、ドッグフーディングがあります。この記事では、ドッグフーディングとはなにか、目的ややりかたについて書きます。

著者
Hiroki Zenigami

テクニカルライター。元エンジニア。共著で「現場で使えるRuby on Rails 5」を書きました。プログラミング教室を作るのが目標です。

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ドッグフーディングとはなにか

ドッグフーディングとは、プロダクトを開発者自身が利用することをいいます。開発者がユーザーとしてプロダクトを使ったり、ペルソナになりきってプロダクトを使います。開発者がユーザー視点でプロダクトを使うことで、開発者としては見えなかったアイデアが出やすくなり、プロダクトの理解を深めることもできます。

また、ドッグフーディングは手動テストの側面ももちます。このため機能のリリース前などに行うのも効果的です。ドッグフーディングは、とくに目的を定めず自由に使うこともあれば、たとえばレシピサービスで「買い物中にレシピの材料を確認するユーザー」のように条件を設定することもあります。

ドッグフーディングはMicrosoftやGoogle、トヨタなど世界を代表する企業でも実践されている手法です。

ドッグフーディングの目的

ドッグフーディングは、ユーザー視点で改善のためのアイデアを出すために行います。また、プロダクト全体の理解を深めたり、サービスが正しく動作するかテストするという目的ももちます。プロダクトはユーザーに日々利用してもらっています。フィードバックをもらう機会もあるでしょう。ユーザーからのフィードバックは改善のための重要な役割をもちます。

ただ、開発者がプロダクトを長く開発していると、機能や施策に集中しすぎて、実際に使うユーザーのことが見えなくなりがちです。客観的な判断ができなくなり、うまく改善につなげられないかもしれません。自分でプロダクトを使い、ユーザーとなることで、ユーザー視点で客観的なアイデアを出しやすくなります。これがドッグフーディングを行う目的です。

ドッグフーディングのやり方

ドッグフーディングには、とくに決まったやりかたはありません。ユーザーとしてプロダクトを使う、ただそれだけです。ドッグフーディングを体系的に行う方法として、役割とストーリーを決めるやりかたがあります。これは次の7つの手順で行います。付箋を使ってやると意見を整理しやすいのでおすすめです。

1. 役割×ストーリーを洗い出す

まず、ドッグフーディングを行うためのユーザーの役割とストーリーを洗い出します。役割は、たとえばレシピサービスであれば「レシピ投稿者」「レシピ閲覧者」で、ストーリーは「スマートフォンからレシピを投稿する」「料理中にレシピをチェックする」などが考えられます。

2. 役割×ストーリーの重要度を決める

洗い出した役割×ストーリーの重要度を決めていきます。これは改善のタイミングによって変わります。たとえばレシピの投稿数をふやしたければ「レシピ投稿者」×「スマートフォンからレシピを投稿する」の重要度が高くなります。会員数をふやしたければ「レシピ閲覧者」×「会員登録する」がより重要になるでしょう。

3. プロダクトを使い意見を書き出す

重要度の高いものから、役割になりきりストーリーどおりに使ってみます。使いながら、思ったことを率直に書き出します。たとえば「投稿画面の写真が選択しづらい」とか「レシピの料理画像がおいしそうに見える」など、いいこともわるいことも書いていきます。

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4. 意見をグルーピングする

使いおわったら、出てきた意見をグルーピングします。グループごとに名前をつけます。たとえば「投稿画面の写真選択」などです。

5. グループの重要度を決める

グループごとに重要度を決めます。決め方としては、どれを改善したらよりユーザーの体験をよくできるか?という視点で決めます。

6. グループの本質的な課題を抽出する

重要度の高いものから、グループの中にあるユーザーの本質的な課題を抽出します。これはどういうことかというと、たとえば「投稿画面の写真が選択しづらい」の本質的な課題は「ユーザーはもっと簡単に写真を選択・投稿したい」となります。

同じように見えますが、このふたつはまったく違います。「写真が選択しづらい」を解決するだけなら選択ボタンを大きくすればいいかもしれませんが、より抽象的に「もっと簡単に選択したい」という課題を解決する場合、選択の仕組み自体を変更しないといけないかもしれません。

7. 課題の解決策を考える

グループから抽出した、ユーザーの本質的な課題に対する解決策を考えます。

いつドッグフーディングをやるか

MVPの検証がおわって、実際のプロダクト開発に入ったらドッグフーディングをはじめます。たとえば週に1回30分など、時間を決めて定期的に取り組むとよいでしょう。

まとめ

ドッグフーディングは、プロダクトを改善するための効果的な取り組みのひとつです。役割とストーリーをイメージしながらプロダクトを使い倒し、思ったことを率直に書いていきます。思いついた機能を単純に取り入れるのではなく、アイデアの裏にある本質的な課題に着目して、ゼロベースで解決策を考えることで、よりユーザーにとって使いやすい機能につながります。

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著者
Hiroki Zenigami

テクニカルライター。元エンジニア。共著で「現場で使えるRuby on Rails 5」を書きました。プログラミング教室を作るのが目標です。

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