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フックモデルとは?ユーザーにプロダクトの利用を習慣化してもらう方法

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ウェブサービスをリリースしても、ほとんどの場合ユーザーがなかなか定着してくれません。プロダクトが成功するには、ユーザーに習慣的に使ってもらうために改善に取り組む必要があります。

プロダクトを改善するためのフレームワークとして、フックモデルというものがあります。フックモデルをもとにプロダクトの弱みを見つけてそこを強化することで、ユーザーの習慣化につなげることができます。この記事ではフックモデルとはなにか、目的やつくりかたについて示します。

著者
Hiroki Zenigami

テクニカルライター。元エンジニア。共著で「現場で使えるRuby on Rails 5」を書きました。プログラミング教室を作るのが目標です。

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フックモデルとは

フックモデルの例

フックモデルは、ユーザーにプロダクトの利用を習慣化してもらうためのフレームワークです。ニール・イヤール氏が考案し、著書「Hooked ハマるしかけ」の中で心理学的な側面から示しています。フックモデルはトリガー、アクション、リワード、インベストメントの4つのステップからなります。

フックモデルの例

たとえばレシピ共有サービスにおけるフックモデルについて見てみます。

  1. ユーザーは検索エンジンで「料理名 レシピ」というキーワードで検索したことによりプロダクトを見つける
  2. ユーザーは料理のつくりかたや材料を知るためにレシピを見る
  3. レシピを見た結果、料理のつくりかたや必要な材料といった情報を得る
  4. 見たレシピに満足したため、レシピの作成者をフォローする
  5. 次の日に料理をつくるとき、前日の成功体験から直接プロダクトにアクセスする。このときレシピ作成者をフォローしたことにより、プロダクトがより充実している

このように、はじめは外からのなにかしらのトリガーからプロダクトを認知し、リワードを得るためにアクションをとります。リワードに満足した結果、インベストメントをします。次からは自然とそのプロダクトを利用しようと思うのです。このループによりプロダクトの習慣化を促すのがフックモデルです。

フックモデルをつくる目的

フックモデルは、プロダクトをユーザーに習慣的に利用してもらうためにつくります。プロダクトが成功するには、ユーザーに利用を習慣化してもらうことが必須です。ただ、機能をやみくもに設計しても、ユーザーの習慣になるかはわかりません。おそらく難しいでしょう。

一度や二度は使ってもらえるかもしれません。ただ、毎日、週に数回、あるいはユーザーが「ある課題を解決したい」と思ったときはいつも、あなたのプロダクトを使う。こうなるためには、こうなるように計算して設計しなければなりません。このためにフックモデルをつくります。

プロダクトにおけるユーザーの行動をトリガー、アクション、リワード、インベストメントの4つに分類します。これにより、プロダクトにとってどのステップが強いか、どのステップが弱いかが明らかになります。弱いステップを改善することで、ユーザーの習慣化につなげることができるのです。

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フックモデルにおける4つのステップ

フックモデルにはトリガーとアクション、リワード、インベストメントの4つのステップがあると示しました。各ステップをまとめると、次のようになります。

トリガー

プロダクトを使うきっかけ。外からのきっかけである外的トリガーと、ユーザー自身の思考がきっかけとなる内的トリガーがある。外的トリガーは検索や口コミなどで、内的トリガーは「◯◯◯がしたい」のようにユーザーが思ったときにそのプロダクトを開くかどうか。

アクション

リワードを期待してユーザーがとる行動。たとえばコンテンツを見たり、コンテンツを投稿したりすることがアクション。

リワード

ユーザーがとった行動の結果得られるもの。予測不能なものほどよい。たとえばコンテンツが表示されたり、投稿にリアクションがついたりすることがリワード。

インベストメント

リワードに満足したユーザーがプロダクトに対して行う投資。たとえばフォローやレビューの投稿などがインベストメント。

まとめ

フックモデルは、トリガーとアクション、リワード、インベストメントをプロダクトに適切な形で配置することでユーザーに習慣化をうながすフレームワークです。

フックモデルのつくりかた

それではフックモデルのつくりかたについて示します。フックモデルは、プロダクトにおけるユーザーの行動が各ステップのどこにあてはまるかを考えることによりつくります。ニール・イヤール氏は著書「Hooked ハマるしかけ」の中で、各ステップについて考えるときに以下の問いに答えればよいとしています。ここでは引用の形で紹介します。

外的トリガー

ユーザーが本当に望んでいることはなんだろうか?どんな悩みを解決してくれるものなのだろうか?

アクション

報酬を期待したユーザーがとるもっともシンプルな行動はなんだろうか。そして、その行動を起こしてもらうために、あなたのプロダクトをどのようにシンプル化できるだろうか?

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リワード

ユーザーは現在の報酬に満足しているのだろうか?もっと報酬をほしがっているだろうか?

インベストメント

ユーザーはあなたのプロダクトにどのような「ちょっとした作業」を行ってくれるだろうか。その作業は、次のトリガーを生み出し、プロダクトを使用すればするほど改善が見込めるような価値を蓄積するものなのだろうか?

内的トリガー

なぜユーザーはあなたのプロダクトを使いはじめるのだろうか?

いつフックモデルをつくるか

フックモデルは、MVPを構築する前までにつくるとよいでしょう。MVPは実用最小限の製品です。言いかえると、ユーザーの課題を解決するための、最小限の機能をもちます。その最小限の機能でユーザーに習慣化してもらわなければなりません。ここにフックモデルが役立ちます。

また、フックモデルは一度つくったら終わりではありません。プロダクトを運営する中で、ユーザーの継続利用に問題を感じたらフックモデルを見直しましょう。

まとめ

フックモデルは、プロダクトをユーザーに習慣的に利用してもらうためのフレームワークです。トリガー、アクション、リワード、インベストメントの4つのステップをもとに機能を考えることで、ユーザーの習慣化につなげることができます。

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著者
Hiroki Zenigami

テクニカルライター。元エンジニア。共著で「現場で使えるRuby on Rails 5」を書きました。プログラミング教室を作るのが目標です。

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