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テクニカルライターという職業を聞いたことがあるかもしれません。私は今まさしくテクニカルライターとして働いているのですが、この経験をもとに、テクニカルライターとはどんな仕事なのか、将来性などについて解説します。
この記事を読むことで、テクニカルライターとはどのようなものなのかが分かり、仕事を考える上での参考になればうれしいです。
テクニカルライター。元エンジニア。共著で「現場で使えるRuby on Rails 5」を書きました。プログラミング教室を作るのが目標です。
テクニカルライターとは
テクニカルライターとは、テクニカルライティングを主な仕事とする職業のことをいいます。このテクニカルライティングとは何かというと、本サイトの記事「テクニカルライティングとは何か」の中で、次のように定義しました。
ある技術について、読者に分かりやすく伝えること
つまり、ある技術について、読者に分かりやすく伝えることを主な仕事とする人が、テクニカルライターということになります。例えば、テクニカルライターは次のようなものを制作します。
- 一般の消費者に向けた、自動車や家電製品などの取扱説明書
- 開発者向けのドキュメント
私もテクニカルライターとして、日々開発者向けのドキュメントを書いています。
テクニカルライターの仕事内容
テクニカルライターの役割は、上で書いた通り「ある技術について、読者に分かりやすく伝えること」です。つまり、次の3つが主な仕事内容になります。
- 技術を理解すること
- どんな読者がいるかを知ること
- 分かりやすい文章を書くこと
この3つのことを行うために、例えば企画担当者や開発者から技術についての共有を受けたり、読者について調べたりします。
この技術と読者をふまえて、分かりやすい文章を書いていきます。文章を書いたら校正・校閲を受け、最終的に読者へと届けます。場合によっては、図を制作することもあるかもしれません。
テクニカルライターと聞くと、文章を書くことだけが仕事のような気もしますが、実際は文章を書くための準備が重要になってきます。もちろん所属する組織によって変わりますが、テクニカルライターの主な仕事内容は以上のようになります。
テクニカルライターに必要なスキル
このテクニカルライターには、どんなスキルが必要なのでしょうか。これは、「テクニカルライターに必要なスキル」の中で、次の3つを解説しました。
- 技術力
- 文章作成力
- コミュニケーション力
この3つについて、簡単に説明します。
テクニカルライターは技術についての文章を書くので、まず技術に関する知識が必要になります。例えば、ウェブ関連の開発ドキュメントを書くのであれば、ウェブの基本的な知識が必要です。
文章作成力はイメージしやすいと思いますが、分かりやすい文章を書くための能力です。例えば「3級 テクニカルライティング試験」に合格するための勉強などを通して身につけることができます。あるいは、文章作成に関する本を通して学ぶこともできます。
3つ目のコミュニケーション力については、どうして必要なの?と疑問に思うかもしれません。テクニカルライターは、企画担当者や開発者とコミュニケーションをとる機会がたくさんあります。このため、円滑なコミュニケーションを行うための能力が必要になってきます。
以上の3つが、テクニカルライターに必要なスキルとなります。
私はエンジニアからテクニカルライターに転向しましたが、エンジニアのときよりもコミュニケーションの機会がずっとふえました。もちろん所属する組織によりますが、コミュニケーション力の重要性が伝わればと思います。
テクニカルライターの将来性
Googleなどの検索エンジンで、「テクニカルライター 将来性」というキーワードで検索する方が多いようです。テクニカルライターを自分の仕事として考える上で、その将来性が不安になるかもしれません。
結論としては、テクニカルライターの将来性は「業界による」と考えています。
どういうことかといいますと、基本的な考え方として、その職種があることで会社に何らかの利益をもたらせば、その職種は存在し得ます。これに加えて、その業界が成長産業であれば、将来性がある、といえます。
成長産業とは、今でいうとSaaSを提供している企業などがあります。例えばStripeやサイボウズ、SmartHRなどが該当します。
テクニカルライターとしてのキャリアを戦略的に考えるのであれば、業務を通してスキルを高めつつ、成長業界に関する知識を収集していくといいと思います。こうすることで、将来にわたってテクニカルライターとして活躍できると考えています。
テクニカルライターはなくなるのか
これも検索エンジンの話になりますが、「テクニカルライター なくなる」というキーワードによる検索が多いようです。この背景には、AIの登場があると思っています。
結論としては、テクニカルライターはなくならない、と考えています。
もちろん、単なる文章の生成はAIでもできるかもしれません。実際に、いくつかのサンプルをもとに文章を作成するサービスも登場しています。
ただ、テクニカルライターの役割は「読者に分かりやすく伝えること」です。技術を理解し、どんな読者がいるかを知った上で、分かりやすく伝える必要があります。近い将来で、ここまで実現できるというのは、私にはちょっと想像できません。
一方で、分かりやすく伝えるためにAIを活用するスキルというのは重要になると考えています。AIと共存する、というイメージです。
まとめ
テクニカルライターとは、「ある技術について読者に分かりやすく伝えること」を主な仕事内容とする職業になります。文章を書くことはもちろん、技術を理解し、企画担当者や開発者とコミュニケーションを行ったりします。
職業としての将来性は十分にありますが、どの業界に身を置くかが重要になりそうです。もしテクニカルライターについて気になることがありましたら、Twitterなどでお気軽にご連絡ください。