プログラミングを学び始めた人がエンジニアを目指すとき、どの本を読めばいいのか分からない、ということはないでしょうか?私は初学者のときにとても悩んだ記憶があります。この記事では、エンジニア向けの本を選ぶときの基準を解説した上で、おすすめの本として厳選した次の5冊を紹介します。
ここで紹介する本を読むことで、エンジニアとしての基礎を身につけることができます。この記事は、私がエンジニアとしてウェブアプリケーションを開発してきた経験を元に書いています。プログラミングを学んでいる方の参考になれば嬉しいです。
テクニカルライター。元エンジニア。共著で「現場で使えるRuby on Rails 5」を書きました。プログラミング教室を作るのが目標です。
エンジニアの本を選ぶときの基準
まず、エンジニア向けの本を選ぶときの基準について解説します。この基準を元に本を選ぶことで、この記事で紹介しているもの以外の本についても、買うかどうかの判断がつくようになります。具体的には、次の3つのことを確認します。
- 本が古すぎないこと
- 自分のレベルに合うこと
- 読みやすいこと
それぞれについて説明します。
1. 本が古すぎないこと
エンジニアを取り巻く環境は、日々進化しています。LinuxやHTTPといった基本的な技術は大きく変わらないものの、プログラミング言語やフレームワークなどは、数年も経てば変わることも出てきます。学んだことが無駄にならないためにも、出版日などを見て内容に問題がなさそうかを確認しておきたいところです。
2. 自分のレベルに合うこと
エンジニア向けの本は、初学者向けの本もあれば、中級者以上を対象としている本もあります。私も経験したことですが、難しい本を読むと学びが少ないどころか、学ぶモチベーションが下がることもあります。目次などを見て、自分のレベルに合いそうかどうかを確認した方がよさそうです。
3. 読みやすいこと
本の全般に言えることですが、書いた人によって文章が変わるのはもちろん、読む人によっても、その本が読みやすいかどうかが変わってきます。さらにエンジニア向けの本は、海外の本を翻訳したものも多いです。商品ページで試し読みができる本もあるので、その場合は実際に読んでみて、その本が読みやすいかどうかを見ておくといいと思います。
エンジニアの本でおすすめの5冊
それではエンジニア向けのおすすめな本を紹介していきます。ここでは、ウェブやモバイルの分野のエンジニアを目指す初学者の方におすすめする本を厳選して5冊だけ紹介します。
1. Webを支える技術
一冊目の「Webを支える技術」は、副題の通りHTTPやURI、HTMLといったウェブの基本的な技術について学べます。ウェブアプリケーションやAPIを設計するときに、どのようなURIやHTTPメソッドにすべきかなどが判断できるようになります。他にも、HTTPヘッダーなど関連するテーマについても学べます。
出版日は2010年と少し古いですが、HTTPのような根幹となる技術は今においても重要な知識です。プログラミングを学ぶのと合わせて本書を読むことで、エンジニアとしての視野が広がると思います。
2. リーダブルコード
次に「リーダブルコード」ですが、この本はコードをよりよくするための方法論が解説されています。名前の付け方やコメントの書き方、あるいは制御フローなどのロジックについて、どのように書けばいいのかを学べます。
プログラミングを学び始めたばかりの頃は、プログラムを動かすだけで精一杯かもしれません。ただ、この本を読んでおくことで、すぐには実践できなくても、よりよいコードを書く重要性は分かります。また、頭の片隅に置いておけばそのうち実践できるようになり、次第に技術として身についていきます。早い段階で読んでおきたい本です。
3. 新しいLinuxの教科書
この「新しいLinuxの教科書」はLinuxの機能やシェルスクリプト、Gitによるバージョン管理など、エンジニアとして必ず必要になるインフラの知識を学べます。ウェブやモバイルの分野について学ぶとき、Linuxまでしっかり学ぶ機会はなかなかないと思います。この本ではLinuxとは何か、ディレクトリとは何かといった、基本的なことをしっかりと説明してくれます。
他にも、プロセスとジョブ、標準入出力などの章もあり、コマンドラインで何となく実行していたものが理解できるようになります。インフラに関してはこの一冊だけでもまずは読んでおきたいところです。
4. 安全なWebアプリケーションの作り方
セキュリティに関しては、「安全なWebアプリケーションの作り方」が必読書だと考えています。この本では、ウェブアプリケーションの脆弱性が生まれる理由や、脆弱性を作らないためにどうすればいいのかが、実践を通して学べます。
セキュリティの問題が起こると、企業は大きな損失を受けることになります。エンジニアとしては、脆弱性のないアプリケーションを開発できることが求められます。一方で、アプリケーション開発を学ぶ段階で、セキュリティについて実践する機会はなかなかありません。
本書を一冊実践するだけで、セキュリティに関する基本的な知識が身に付きます。この記事で紹介する本の中でどれか一冊だけ読むとしたら、本書を読むことをおすすめします。
5. カイゼン・ジャーニー
最後に紹介する「カイゼン・ジャーニー」はプログラミングではなく開発の手法に関する本になります。アジャイル開発という、チームでどのように開発を進めていくのか?がストーリー形式で学べる本です。タスク管理やふりかえりなどの生産性に関する内容や、仮説の検証といったプロダクトの開発手法についても学べます。
実際の現場においても、少なからずこの本のようにいろんな課題を抱えながらプロジェクトが進んでいると思います。この本を読むことで、どのように開発が行われているのかを学べます。プログラミング学習の合間の気分転換にも最適な一冊です。
エンジニアの本を読み放題で読むには
エンジニア向けの本は、Kindle Unlimitedでも読み放題で読むことができます。例えば「新人エンジニアのためのインフラ入門」のような本が読めます。言語やフレームワークなど分野ごとの本も読めるので、技術書をお得に読みたいときは検討するとよさそうです。
おわりに
この記事では、エンジニア向けの本を厳選して5冊だけ紹介しました。どの本もプログラミングを学習し始めたときに読むことで、エンジニアとしての成長につながると思います。本を選ぶときの参考になれば嬉しいです。