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【レビュー】プロダクトマネジメントを読んだので感想を書きます

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本書「プロダクトマネジメント」では、プロダクト開発におけるビルドトラップについて定義し、この罠を避けるための方法についてストーリーで書かれています。副題は「ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける」です。ビルドトラップとは、本書では次のように定義されています。

実際に生み出された価値ではなく、機能の開発とリリースに集中してしまっている状況

つまり、簡単にいうと「顧客にフォーカスせず、機能を追加することで前に進んでいると思い込んでしまっている状況」です。このような状況に陥らず、顧客に価値を届けることでプロダクトを成功に導く方法について、ストーリー形式で書かれているのが本書となります。

本書の内容は、著者がビルドトラップにハマってしまったときにリーンスタートアップに出会い、実践してきたことがもとに書かれています。

対象となる読者

本書「プロダクトマネジメント」は、複数のチームで動いている組織の中でプロダクトマネージャをされている方、経営メンバーにとってとても役立つ本だと思います。あるいはそこをめざしている方にとっても勉強になると思います。

プロダクトマネジメントに直接関わらない方、たとえばエンジニアの方でも、チームをよりよくする上で参考になります。一方で、個人開発者の方や数人規模のスタートアップでプロダクトをつくっている方にとっては、すこし現実とかけ離れているかもしれません。

なぜこの本を読むべきか

組織が大きくなるとビルドトラップ、つまり顧客のことを忘れてつくることに集中してしまいがちです。顧客にフォーカスしないと、いくらつくってもプロダクトはよくなりません。

本書「プロダクトマネジメント」は、顧客にフォーカスしてプロダクトをよくした結果、会社自体を成長させることを目的としています。そこにいたるまでにどんな課題が起こるのか、どう解決するのか。マーケットリーという架空のプロダクトを例に話が進みます。

この本を一度目をとおした上で、実務で似たような課題に当たったときに見直すと、解決の糸口が見つかるかもしれません。

本書の内容

本書「プロダクトマネジメント」は、次のような構成で話が進みます。

  1. ビルドトラップとはなにか、陥りやすいのはどういうケースか
  2. プロダクトマネージャとはなにか、どういう役割か
  3. プロダクトにおける戦略とはなにか
  4. プロダクトマネジメントのプロセスとはどういうものか
  5. プロダクト主導組織とはどういうものか

このような構成で、プロダクトを成功するためにプロダクトマネジメントの観点でどういうことをすべきかが書かれています。

本書は実践書ではないので、本にしたがって行動することでなにかを改善できる、というものではありません。本書にあるストーリーと自分が直面する課題を照らして解決策を見つける、そういう使い方ができる本だと思います。

本書の中で私が印象に残ったものとして、「プロダクトの死のサイクル」というものがあります。これは次のことを指します。

顧客に足りないものを聞く→足りない機能をつくる→誰もプロダクトを使わない

このことは、大きい組織ほど起こりがちな問題です。私も過去に何度も経験しました。本書を読みながら過去をふりかえり、あのときああすればよかったな、次からこうしよう、というような気づきを得ることができました。

まとめ

多くの組織が、価値ではなくつくるという行為そのものに意味を持たせてしまっています。本当にやるべきことはなんなのか、プロダクト開発における課題と解決策がストーリーベースでわかります。本書「プロダクトマネジメント」は複数のチームで開発に携わる方、あるいはそこをめざす方にとって有益な本だと思います。

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著者
Hiroki Zenigami

テクニカルライター。元エンジニア。共著で「現場で使えるRuby on Rails 5」を書きました。プログラミング教室を作るのが目標です。

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